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やれることを形にするための時間— Local School Field Mieを通して

農地PJ


今回で最後となるLocal School Field Mie

これまで各地を巡りながら続いてきた講座も、この日が最終回となりました。

松阪で行われたまとめの時間は、これまでのフィールドワークを振り返りながら、それぞれがこれから取り組んでいくことを言葉にしていく場でもありました。

 

会場では自己紹介から始まり、これまでの取り組みや活動の背景について共有が行われました。現地を巡るフィードワークとは異なり、今回は自分自身の活動を整理し、他の参加者と意見を交わし、

これまでの講座で見てきた地域の事例を踏まえながら、自分の計画をどのように形にしていくのかを考える時間でした。

 

今回の会場となったMADOIについて、施設の成り立ちや日々の活動をうかがいました。
当日はVACANT代表の中瀬皓太さんも同席されました。


地元愛のかたよりっぷりが楽しい!松阪偏愛マップ&ツアー!本居宣長の後輩クリエイター集団vacantとMADOIという場/OTONAMIE


MADOI


MADOI Instagram


ニッチャートラベル

 


松阪偏愛マップ、純愛マップ、生活マップの制作に関わってみえます。

 


 


 

 

ボードゲームカフェの構想から見えたこと

講座では、尾鷲市地域おこし協力隊・永原氏から、尾鷲で進められている取り組みとして、若い世代が長く過ごせる場所をつくる構想が紹介されました。
きっかけは少人数でのボードゲーム会で、「こういう場所があればいい」という声が出たことだったそうです。そこから、尾鷲に必要とされている場のあり方を具体的に考えていったとのことでした。

求められているのは特定の業態ではなく、
・安価に利用できること
・長時間滞在できること
・一人でも複数人でも過ごせること
といった機能でした。
ファミレスやカラオケといった既存の例を参考にしながら、それらの要素を地域の中でどう実現するかが整理されていました。 計画は、店舗を先につくるのではなく、すでに行われているボードゲーム会や参加者同士のつながりを土台に進められていました。
実際に、ゲーム会の開催や人のネットワークづくり、駅前での物件探しなどが並行して進められているとのことでした。

 

また、尾鷲には飲食店やチェーン店もあり「何もない」という状況ではないものの、地域の中ではそうした言葉が出ることがあるという話もありました。
その背景を、世代や過ごし方の違いから捉え直し、同じ世代の目線で必要とされる場を考えていくことが大切だと。

単にボードゲームをする場所ではなく、若い世代の居場所となるサードプレイスをつくることを目標としていました。その場を使いながら、尾鷲に「あったらいい」と思われていることを拾い上げていく拠点にしていきたいという思いを教えていただきました。

 

 

  

 

歩く人がみえる距離

ボードゲームカフェの構想の共有のあと、「地域に足りないものは何か」という問いを基点にグループディスカッションが行われました。

地域では「何もない」と言われることがある一方で、「では何があればいいのか」、「どのような場が求められているのか」という点を具体的に考える時間として設定されていました。

参加者は二つのグループに分かれ、それぞれの視点から必要とされるものを出し合い、整理していきました。

 

その中で話題に上がったのが、「歩いている人が少ない」という実感でした。例えばイオンモールのような商業施設の中ではたくさんの人が歩いているのに、まちに出ると歩く理由が薄くなる、という話です。

 

「歩いて行こう」と思えるかどうかは、店や拠点が「点」で終わっているか、「次に行ける点が続くか」で変わります。ひとつの目的地だけだとそこで完結してしまう一方で、歩ける距離の中にいくつか目的地が並ぶと、「次はあそこへ」と移動が生まれやすい。

この話は、単に飲食店を増やすという方向ではありません。歩く途中に、休める場所や小さな立ち寄り先が少しずつあることで、人の動きがつながっていく。その「つながり方」自体が、まちの雰囲気を変えていく要素になるのではないかと考えます。

  

グループワークでは、空き家や空き地の情報の出し方についても話題になりました。

物件があっても、すぐに外に出せる状態とは限らず、公開までにいくつかの段階があります。

活用の方向性を考える時間や、関わり方を検討する過程があり、その段階によって見え方も変わります。
存在していることと、公開できる状態であることは同じではありません。

そのうえで、いきなり売買として扱うのではなく、見てもらう、短期間使ってもらうといった関わり方があれば、次の動きにつながる可能性があるのではないか、という意見も出ました。

物件情報として並べるだけでなく、関わり方の入口として見せることができれば、掲載する方たちの選択肢も広がるのではないでしょうか。

 

 

 

各地を巡った時間

今年度のローカルスクールでは、オンラインでの雨風太陽の代表、高橋博之氏の「移住者の受け入れや地域づくりの想いを共有」をテーマとした講座からはじまり、いなべ市(松風カンパニー)、志摩市(じゃまテラス)、南伊勢町(うみべのいえプロジェクト)、多気町丹生(地域資源バンクNIU)、大台町(AWAプロジェクト)と、それぞれ性格の異なる地域を訪れました。

現地では、活動を続けている人の話を聞き、実際の場所を歩きながら、その取り組みがどのように重ねられてきたのかを知ることができました。

どの地域でも共通していたのは、最初に形を決めるのではなく、地域との関係を重ねながら進めている点でした。
同じ場所に何度も足を運び、その都度必要な形を選んでいく進め方が続いていました。

 

 

 

 

 

農地LINKとして

農地LINKとして、当初から、人と情報が集まる場所をつくることを一つの軸にしてきました。

これまでは現地を訪ね、人に会い、話を聞くことで、人と人、人と情報を手作業でつないできました。

 

これからはその動きを、具体的な形にしていきたいと考えています。
たとえば、「買いたい」「売りたい」「貸したい」「借りたい」「教えたい」「覚えたい」といった内容を出し合える場です。

クラウド上でやり取りできる掲示板のような仕組み。

実際にやり取りできる機会としてのマルシェの開催。
まずは顔が見える形から始めていきたいと考えています。

  

津市を、農業に入りやすく、続けやすい地域にしていきたい。
・やってみたいと思ったときに始められること、
・地域の中で基礎を教えてもらえること、
・仕事の選択肢として農業が自然にあること。

使われていない土地が残っているこの地域だからこそ、それらを生産の場として活かしていく余地があります。

農業が特別なものではなく、暮らしの近くにある状態を、この地域の中で実際に選べるようにしていきたいと考えています。

 

 

 

最後に

今年度のローカルスクールでは、多くの地域を訪れ、それぞれの現場で時間をいただきました。

現地で話を聞き、参加者同士で議論を重ねてきた経験は、自分の活動を見直す機会になりました。

この講座に参加させていただいたこと、各地域で案内していただいたことに感謝しています。

ここで言葉にした内容を、これから一つずつ形にしていきます。




 

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